Hiker Club Koguma Group | こぐまグループは東京の山岳会です。

お知らせ

会員募集中です。お問い合わせはこちらから。
山と渓谷誌(2024年5月号)に募集広告を掲載しました。

2024/02/25 西吾妻山

■山行日 2024年2月25日(日) 
■天候 曇 
■メンバー 3名 
■コースタイム 
天元台スキー場リフト終点10:03-11:36 西吾妻山12:12-12:30天狗岩-13:34リフト終点

■山行報告(リーダーT) 
 西吾妻山の登山口となる天元台スキー場まで車で4時間以上かかるので、前日の14:30に自宅を出発し福島駅前のビジネスホテルに泊まることとした。夜は駅近くの居酒屋で福島の郷土料理を食べ、福島の地ビールと酒で軽く一杯。こういう山行もまたいいものである。

 翌朝は6時に出発しスキー場には7時半ごろに到着。駐車場はすでにほぼ満車で、ゴンドラ乗り場には多くのスキーヤーや登山者が列をなしている。西吾妻山の登山道まではゴンドラに乗り、さらにリフトを3本乗り継がなければならない。しかしこの日は風が強く、さらにそれぞれのリフトがとても長いため、乗車中はとても 寒い。

 やっとリフト終点にたどり着いたのは10時頃。すでに何組かのグループがスノーシューやアイゼンの準備をしていた。我々も早速スノーシューを履いて出発。登り始めはトレースがしっかりついていて特に迷うところはない。曇ってはいるが、振り返ると遠くに飯豊連峰を眺めることができる。

  樹林帯の中では特に問題なく歩けたが、樹林が切れると強い風が吹きつけるようになった。やや急な登りを終え、中大巓を回り込むと西吾妻山が姿を現す。スノーモンスターを期待していたが、先週に暖かい日が続いたことでスノモンは一旦すっかり溶けてしまったが、その後急に気温が低下したことで、木々に溶けた雪が再び凍りつき、さらにそこへ雪が積もった形になっていて、スノモンではないが、これはこれで見事な造形美となっている。

 広い鞍部を通り、やがてやや急な坂を登ると西吾妻山の山頂である。山頂の標識は完全に雪に埋もれていて、YAMAPで確かめないとあやうく通り過ぎるところであった。早々に山頂で写真を撮り山頂を後にするが、リフト終了の時間から考えて西大巓まで行くのは難しいと考え、西吾妻小屋から天狗岩を通ってリフトに戻るコースを考えた。ところが、小屋に向かって下り始めると、頂上から先に下ったパーティーが戻ってくるのに出会った。話を聞くと小屋から先のトレースが不明瞭なので戻ってきたとのこと。そこで我々も安全のために山頂に戻り、もと来た道を戻ることとした。

 ホワイトアウトというほどではないが、強風で飛ばされた雪によってトレースが埋まり、ところどころで見えにくくなっている。トレースをたどっているといつの間にか小屋から天狗岩にたどる道に下っているのに気が付いた。YAMAPを使って現在位置、進行方向と地形、そして竹竿の赤布を確認しつつ、時々トレースを外れながらも慎重に進む。

 中大巓の西側の樹林帯にまでくるとバックカントリースキーの跡と交錯したトレースがはっきと判別できるようになる。最後にスノーシューでは歩きにくい急坂を下ると、やがてリフトに到着。

 天気予報とは異なり、予想外に風が強く少々苦労したが、厳冬期の山らしさを体感できた。さらに美しい樹氷の造形も見ることもでき、歩程は短いものの結構充実した山行となった。トレースを見失った時、昔なら地図とコンパスで確認したものだが、今はGPSで確認できるのでとても便利である。当然のことであるが、特に冬山ではむやみに進まずにこまめに自分の位置を確認することが大切であると改めて実感できる山行でした。