■山行日 2022年10月13(木)~14日(金)朝発
■天候 曇り一時小雨 ■メンバー 4名
■コースタイム
10/13 沼尻登山口10:22-13:19胎内岩-13:47鉄山避難小屋-13:55鉄山14:15-14:30矢筈森-15:41くろがね小屋
10/14 くろがね小屋6:56-10:15薬師岳10:32-12:01安達太良山13:07- 13:36船明神山-13:43障子ヶ岩-16:12沼尻登山口
■山行報告(リーダー T)
●1日目
ダートの道の行きあたりにある沼尻登山口の駐車場に車を止めて歩き出すと左前方に切り立った岩壁の間に落ちる白糸の滝が見える。天気は曇り、山の上には雲がかかっている。40分ほど歩くと分岐に到着し、左の道を行くと、名の通り硫化水素の臭いのする硫黄川に向かう坂を下る。ここには昔、湯治場があったのか、露天風呂らしきものと、小屋の残骸のような木の板が散らばる殺伐とした風景だ。今でも温泉を引いているのか作業小屋のようなものあるが、ところどころに「毒 ガス危険」と書かれた立札がある。
硫黄川を見下ろしながら対岸の尾根登っていくとやがて胎内岩に到着。胎内岩の隙間をくぐるのだが、ザックを担いだままでは通れないので、まずザックを下ろし、穴の向こうに置いてやっと人が通ることができる。
ここから先は溶岩台地のようになっており、避難小屋を経て鉄山に到着。この頃からガス(霧です)がかかり始め、霧雨が降り出す。鉄山は安達太良山の最高峰であるが、とりあえず記念撮影を行い、さっさと矢筈森からくろがね小屋に向かって下る。この辺りから黄色や赤色の紅葉が多くみられるようになる。青空の紅葉も良いが、雨に濡れた紅葉も美しい。ナナカマドなどが赤い実をつけて、秋の深まりを感じる。雨でぐちゃぐちゃになった道を下ると、やがて本日の目的地、くろがね小屋に到着。古い小屋ではあるが、中に入ると結構きれいで、しかも1泊2食付きで6,600円と安い。布団は用意されておらずシュラフが必要だが、4人で6畳くらいの個室で結構余裕がある。洗い場はないが白い温泉の男女別の風呂があり、誰も入っていない熱めの風呂で冷めた体を温める。夕食はカレー。人が少ないので、夕食後はテーブルで、Mさんが持ってきた焼酎を飲みながら、8時くらいまで雑談をしながら、ゆっくりと過ごすことがで きた。
●2日目
翌朝、起きると少し雨が降っていたが、朝食を終え出発するころには雨はやんでいた。外へ出てみるとくろがね小屋はまさに今が盛りの紅葉に埋もれているおり、黒い色の小屋と紅葉のコントラストがとても美しい。くろがね小屋からは勢至平を下るが、旧道は昨夜からの雨で、ぐちゃぐちゃの状態。そこで途中からは遠回りにはなるが、広くて歩きやすい「馬車道」を通り、スキー場のリフト下まで下りてから登り返す 。
急登を登り、五葉松平から薬師岳に着くと、ロープウエイからの観光客で山頂は混み合っている。さらにここから安達太良山を目指す登山客も多く、時々渋滞する。安達太良山の直下の広場では、多くの人が休憩している。ここから山頂へ上る道も大変混み合っていたので、まずは休憩してコーヒーを飲むことにした。すると警察学校の生徒50人くらいの集団が登ってきて、山頂に登り始めた。そこで混み合う前にと、慌てて山頂に行くことにした。山頂ではまず記念写真を撮ってからゆっくりと景色を眺める。和尚山を背景に黄色や赤の紅葉と、常緑樹の緑、笹の薄緑が混在し、大変美しい。
安達太良山から下った後は船明神山から沼尻に向かう。このルートからは安達太良山の火口である沼ノ平を見下ろすことができる。とても広い火口でなかなかの圧巻である。障子ヶ岩からの下りは背丈ほどの木のトンネルのような樹林帯となっており、しかも足元が泥で滑りやすいため、枝に頭をぶつけやすい危険個所である。私は枝に頭をぶつけて出血してしまった。皆さんに応急手当をしてもらい、16時過ぎに沼尻に到着。
思ったより時間がかかってしまったのは、期待以上の景色に感動の連続で時々立ち止まりながら歩いたためだろう。Mさんは小屋でもらった小さな山靴の形をした木彫りと一緒にリースを作るとのことで、ドングリや赤い落ち葉や木の実を集めながら歩いていた。沼尻から鉄山を登ってから一旦奥岳まで下り、また登り返して反対側の沼尻に戻るという、どちらかと言えば物好きなルートであった。しかし安達太良山の西側の荒々しい火口と、東側の美しい紅葉をいっぺんに見るといった欲張り山行で、全員ゆったりと風景を楽しみながらの山歩きを満喫しました。