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2022/09/29-10/01 前穂高岳~奥穂高岳

■山行日 2022年9月29(木)~10月1日(土)朝発 
■天候 晴れ ■メンバー 4名 
■コースタイム 
9/29  上高地バス停12:24-12:27河童橋-15:53岳沢小屋 
9/30  岳沢小屋6:11-9:58前穂高岳10:55-13:54奥穂高岳14:57-15:18穂高岳山荘 
10/1  穂高岳山荘6:27-8:11涸沢小屋8:34-11:18横尾11:3-112:22徳沢園12:51-14:22小梨平-14:26河童橋-14;37上高地バス停 

■山行報告(リーダー T) 
●1日目 
朝7時に集合し、車で沢渡駐車場へ。沢渡からは4人だとバスより安いということで、タクシーで上高地に向かう。心配していた天気は晴れ。平日なので混んでいるというほどではないが、さすがに上高地、それなりの人出がある。河童橋からはこれから登る岳沢がよく見える。岳沢のガラ場のすぐ横にある樹林帯を登る。上高地から見れば急に見える岳沢の登りも、実際に登ってみるとそれほど急登ではなく、カールの景色を見ながらの登りは涼しいためそれほど汗もかかず、気持ちがいい。しかし、木々が全く紅葉しておらず、今回の主目的である涸沢の紅葉が見られるのか、 少々 心配になった。

岳沢山荘

 程なくして岳沢山荘に到着。小屋は8畳くらいの部屋に布団が6枚、他の2人とは衝立で仕切られており、十分に余裕はあった。天気がいいので外へ出てビールを飲む。小屋の上には奥穂から西穂への縦走路が見える。反対側からは上高地を見渡すことができ、霞沢岳、焼岳、乗鞍が見える。夕日を眺めてから小屋に入り夕食。小屋の食事は揚げたてのあじフライなど。最近の小屋の食事はなかなか良い。

●2日目 
 朝起きて外へ出ると今日も快晴。朝食を終え、念のためヘルメットつけて出発。重太郎新道を登っていくが、最初は低い草付きの登りで特に危険な場所はない。やがて長い梯子や鎖場、落石注意の場所が現れる。紀美子平には少し広い場所があり、ここにザックを置いて、前穂高岳にピストン。前穂へは浮石が多く、急で狭い道で注意しながら登る。

 前穂の頂上ではほとんど雲のない快晴で、360度の大展望。奥穂、北穂、槍はもちろん、常念、蝶、焼岳、乗鞍、遠くには御嶽山、白山までよく見える。頂上の景色を十分堪能した後、紀美子平に戻り、吊尾根を行く。

 吊尾根は危険なイメージがあるが、紀美子平からの最初の下りでルートを間違えないように下れば、吊尾根自体はしっかりした道の水平なトラバースであり、心配はない。奥穂まではややしんどい登りである。

 奥穂は祠のある狭いピークで、ゆっくりできるスペースがないため、少し下り西穂方面との分岐で大休止。コーヒーを淹れ、ジャンダルムを眺めながらのんびりと過ごした。その時ヘリコプターが現れ、ロバの耳の下あたりでしばらくホバリングしているのが見えた。後でわかったことだが、ここで女性が滑落し、死亡したそうである。昔、妻とも行ったことがあるが、今でも毎年死者が出る危険なルートであることを再認識した。十分に休憩した後で、奥穂山頂に戻り記念撮影後、穂高岳山荘へ向かう。ここも急な下りで鎖場やハシゴが続き、むしろ吊尾根よりも危険なのではと思う。

  穂高岳山荘にはたくさんの人が景色を眺めながら、ビールなどを飲んでいる。部屋は二段になった下側で、一人ずつ衝立で仕切られた狭いスペースである。夕食はハンバーグ。夜外へ出ると満天 の星空で天の川もはっきりと見えるくらいだ。

●3日目 
 朝起きると蝶が岳の方向から朝日が昇るのを眺める。ご来光はもちろんだが、朝日に照らされた奥穂の姿も素晴らしい。朝食後ザイテングラードを下り涸沢に向かう。狭い岩場の下りでところどころ鎖場がある。登ってくる人も多いため待たされることが多かった。紅葉はというと、ここから見る限りではまだ十分に紅葉していないかなという感じ。前もって調べていたが、今年は気候の関係であまり紅葉は期待できないということだったので、最初はこんなものかなと思っていた。でも涸沢小屋に近づくとナナカマドなどが実をつけて紅葉し、この紅葉と岩肌と、青空のコントラストは素晴らしく、私としては期待していた通りの紅葉を堪能できた。

 涸沢小屋に着くとOさんが楽しみにしていたソフトクリームを小屋のデッキで食べる。奥穂、涸沢岳を眺めながらのソフトは最高だ。ゆっくり休んだのち、横尾に向かって下る。ここでは紅葉の時期の土曜日ということもあって、非常に多くの人が登ってくる。少し歩いては、道を譲るという状態で、なかなか先に進めない。ツアー客も多く、中には30人近いパーティーもあった。こんなに登ってきて涸沢のテン場のスペースは大丈夫なのかなと少々心配になった。横尾の橋の横で入山者をカウントしている人がいたので聞いてみたら、1500人くらいは入山しているということである。横尾から上高地バス停まではいつも通り観光客でにぎわっている。バス停からは、また乗り合いタクシーで沢渡駐車場に戻り、乗鞍温泉の白濁したお湯につかって疲れを落とし、帰路につく。