■山行日 2022年5月7日~8日(土日)前夜発
■天候 晴れ ■メンバー 6名
■コースタイム
7日 三股駐車場 5:44-6:03 三股(常念岳分岐)-8:19 まめうち平-12:39 蝶ヶ岳ヒュッテ 12:52-13:35 蝶槍 14:11-14:42 蝶ヶ岳ヒュッテ
8日 蝶ヶ岳ヒュッテ 6:32-6:33 蝶ヶ岳 6:47-9:55 まめうち平-11:56 三股-12:17 駐車場
■山行報告(リーダー T)
15年前のGWに登った燕岳から見た美しい雪の槍穂をもう一度見たいと思い、今度は蝶が岳に登ることを計画した。上高地からではなくて安曇野側から登ると、稜線にたどり着いて初めて姿を現す槍穂を見ると感動もひとしおである。
高坂SAでO(K)さんの車と待ち合わせ、三股駐車場に向かう。ここで車とテントに分かれて仮眠をし、5時起きで駐車場を出発。駐車場からしばらくは地面に全く雪はない。木々には新緑が芽生え、地面にはこごみやタラの芽が顔を出してまだまだ春の雰囲気である。本沢の揺れる吊り橋を渡り、少し登るとやがて「ゴジラみたいな木」に着く。確かにゴジラというかティラノザウルスのようにも見える。
ここを過ぎてまめうち平の登りに差し掛かる頃、雪を被った常念岳が姿を現す。ここから見る常念は上高地や安曇野から見たようなピラミッド型ではなく、前常念とつながって台形に見える。次第に地面には雪が現れてきたので、まめうち平付近でアイゼンを着ける。次第に急傾斜の直登やトラバースが現れる。
はっきりとトレースが着いているので問題はないが、気温が高めで雪が柔らかくなっているので滑落しないよう慎重に登る。樹林帯を越え稜線が近くなってくると、槍ヶ岳の穂先が見え始め、次第に槍穂連山全体が姿を現す。蝶ヶ岳ヒュッテ付近ではみんな思わず「うわー!」歓声を上げるほどの圧巻である。間近に見る雪の槍穂の絶景は筆舌に尽くしがたい。
ここから翌日に行くことを予定していた蝶槍までは片道45分。ヒュッテに着いたのはまだ昼頃なので、予定を変えて少し休んでから空荷で蝶槍へ行くことにした。石がゴロゴロしている比較的平坦な道ではあるが、ヒュッテまでの登りにはあれほど雪があったのに、この稜線の道には全く雪がない。
蝶槍山頂からの眺めは、少し雲はかかっているものの常念岳、東鎌尾根から槍ヶ岳、大キレット、北穂、涸沢、奥穂、前穂の槍穂連山や、焼岳と乗鞍、遠くには野口五郎岳や御嶽山まで一望できる。15年前に燕岳から見たときの槍ヶ岳はほとんど真っ白であったが、温暖化の影響なのだろうか、今回はかなり黒いところが目立つ。風もなく暖かいので蝶槍でのんびり景色を眺め、十分に堪能してからヒュッテに戻る。蝶槍から見るとヒュッテは遥かかなたで、来るんじゃなかったとO(H)さん。
ヒュッテは前日まではほぼ満員だったようだが、連休最終日とあって、この日は半分くらいの入りである。中はコロナ対策のため寝室は2人ずつに仕切られているが、十分な広さはある。食事の時間を待つ間、小屋の自炊場のテーブルでみんなで少しお酒を飲んで雑談。食後は特にすることもないので6時過ぎには寝る。
翌日は4時半に小屋の明かりがつく。5時半の食事の前に外へ出てみることにした。やや風があり、安曇野側はガスがかかっているが、上高地側は槍穂の頂上付近に雲がかかっている程度である。すぐ近くの蝶ヶ岳山頂に行ってみたところ、東側が雲海になっていたのでご来光を見ることはできなかったが、朝焼けでほのかに赤くなった槍穂はまた美しい。朝食を終えて出発。まずみんなで蝶ヶ岳山頂へ行く。この時間になると空は晴れ上がり中、山々が輝いている。いたるところにカールがある北アルプス特有の地形を堪能し、槍穂をバックに集合写真を撮ってから、下山を始める。
アイゼンを着けていても雪が柔らかくなってきているため、昨日の急な斜面を下るときは滑落には要注意である。I(A)さんは急斜面を怖がりながらも、慎重に下っていく。その後O(H)さんがトラバースの場所で20 mほど滑落。私は少し離れていて見ていなかったが、話によると踏み跡に飛び出している木を避けようとしたときに足場が崩れたそうだ。木にぶつかって停止したので、O(K)さんとI(H)さんが駆け寄り、O(H)さんを補助しながら、安全な場所に戻す。
幸いなことに、額の切り傷と、お尻の打撲程度で済んだ。しかし歩くと痛いということなので、荷物を男性3人で手分けして持つことにした。まめうち平に到着すると雪がなくなるので、ここからはアイゼンを外して下る。来た時と同じ新緑の樹林帯の中で、こごみが芽を出している。I(H)さんは酒のつまみのてんぷらにするとのことでこごみを採りながら歩いていた。
正午過ぎに駐車場に到着。その後温泉(ほりでーゆ~四季の里、新しくてなかなかいい温泉です)で汗を流して帰途に就く。ちょっとヒヤッとすることはありましたが、2日とも天気が良く、期待通りの槍穂の絶景を間近に眺めることができ、思い出に残る山行となりました。