■山行日 2021年6月5日(土)前夜発
■天候 快晴 ■メンバー 4名
■コースタイム
6月4日(金) 東京港竹芝桟橋22:00発、翌朝10:20神津島港着
6月5日(土) 神津島港=黒島登山口10:45―12:00黒島展望山12:05-12:20裏砂漠-12:35裏砂漠展望地13:05―13:35天上山頂上13:45―13:55不動池―14:00新東京百景展望地―14:15天空の丘14:20―14:45白島下山口―15:00白島登山口15:05―16:10旅館
■山行報告(リーダー I)
当初は5月末迄とされていた新型コロナの緊急事態宣言が延長となり、中止にしようかさんざん迷ったが、個人山行扱いとし、各自が責任を持って感染予防対策を行うことを条件に決行した。東京港を夜10時に出港した東海汽船のさるびあ丸は、大島、利島、新島、式根島と各駅停車の後、翌朝10時過ぎにようやく終点の神津島に到着。既に太陽は高くギラギラ輝いている。港には、本日の宿泊先「旅館 平和荘」のご主人が待っていて、車で登山口まで送っていただく。
黒島登山口は標高200m、天上山の頂上は572mなので気楽なトレッキングである。3日ほど前の天気予報では終日☂マーク。せめて曇りであってくれと願っていたが、予想に反して雲一つない快晴となった。まずは黒島山頂を目指す。急坂だが歩き易い道をジグザグに進むと3合目、4合目と次々表示が進み、一気に高度が稼げて島の集落がどんどん遠ざかっていく。途中休憩無しで早くも10合目となってしまった。ここでは、江戸時代末期にアメリカや英国からの異国船の来襲に備えて、国を守るべく幕府が島民に命じて築かせた石塁の遺構「オロシヤの石塁」が名所となっていた。
一息で黒島山頂に登ると、ここからは広い山頂部の火口壁を巡る周遊コースとなる。東に向かうと、やがて砂礫が広がる「裏砂漠」で一面真っ白い世界。異国に迷い込んだような(メキシコあたり?)不思議な感覚になる。砂漠の東端には展望地がありテーブルと椅子も設置されているので、のんびりランチタイムとした。ここからの景色は素晴らしく、今朝船で経由してきた途中の島々と、南方には三宅島と御蔵島、つまり伊豆七島のうち八丈島を除く全島がくっきり見えた。我々の外には誰もいない長閑な山である。(途中ですれ違った人は2人だけ)
休憩後、表砂漠を経由して最高地点の天上山頂を目指す。表砂漠も白一色の世界だが、その大きさと迫力は裏砂漠にかなわない。花の名山として期待していたオオシマツツジは既に見頃が過ぎた感じ。そしてこのあたりから足元に体調2cmほどの毛虫が目立つようになる。この時点ではみんな、「ここは毛虫が多いね。」などと呑気に話していたが、これが後々大変な悲劇となってしまう。
最高地点は当然360度の展望。西方には伊豆半島とその先には富士山も見える。強風が普通の島だが今日は全くの無風でいつまでも和んでいられる。この後、新東京百景の展望地、展望の丘と名所を巡って山頂を一周するが、正直同じような絶景が続いて飽きるくらいである。下山は白島口から急坂を下って島の集落にある今宵の宿まで歩いた。
想像以上に見どころが多く、離島ならではのしみじみ旅情を感じる充実の山旅であった。しかし、旅館に着いてみると全員両腕が真っ赤で蕁麻疹のような症状に。実はこれ、登山道の至るところにいた毛虫「ドクガ」のせいで、神津村役場のHP上でも大量発生の注意報が出ている。直接触れてなくても、超極細(0.1mmほど)の毒毛針が空中に飛散しており、これが皮膚に刺さって炎症を起こして、掻くと皮膚の内側に入り込んで余計ひどくなるらしい。おかげで4人とも帰京してから皮膚科に通うはめに。神津島登山は、春~初夏だけは避けた方がいいかもしれない。