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2020/09/26 御嶽山(個人山行)

■山行日 2020年9月26日(土) 前夜発日帰り 
■天候 曇り ■メンバー 2名 
■コースタイム 
(前日まで妻籠、飛騨等を観光)
御岳山ロープウェイ飯森高原駅7:13-8:23女人堂-9:31石室山荘-10:00覚明堂-
10:31剣ヶ峰10:57-11:17二ノ池山荘-11:20二ノ池ヒュッテ-11:38白竜避難小屋-
12:06摩利支天山12:15-12:40白竜避難小屋-12:49賽の河原13:05-
13:18二ノ池山荘-13:30覚明堂-13:41石室山荘-14:26女人堂-15:27飯森高原駅

■山行報告(リーダー T) 
 飛騨旅行を兼ねて御嶽山に登ることにした。23日に御嶽山に登る予定であったが、天気が良くなさそうなので、最終日の26日に登ることにした。自宅を23日朝に出発、この日は妻籠へ行き、開田高原の宿に宿泊した。宿からはレンズ雲がかかっている御嶽山がよく見えた。予定通り23日に登っても天気はまずまずだったかもしれない。24日は野麦峠を越えて高山に行き、飛騨古川の宿に宿泊、25日は神岡で旧国鉄神岡線の廃線を利用したレールバイクを楽しみ、その夜は御嶽山ロープウエイ下の鹿ノ瀬の駐車場で車中泊した。夜間はかなり雨が降っていたものの、朝起きると多少の霧雨が残っていたが、次第に空が明るくなってきており、期待が持てそうだ。

 7時のロープウエイの運行開始時刻に合わせて出発。曇ってはいるものの遠くが見渡せ、ロープウエイで登った飯森高原駅から槍穂を眺めることができた。登山道は混んでいるというほどではないが、そこそこの人数の登山者はいる。ほら貝を持った行者姿の人やツアーで20人ほどの団体客も来ていた。登山道を行くと山全体が紅葉というわけではないが、ハイマツの緑の中のあちこちに紅葉が点在している景色も美しい。さすがに信仰の山とあって、いたるところに仏像や祠などが目に付く。風はあまりなく、暑くも寒くもない、いい登山日和だ。

 石室山荘が近づくにつれハイマツもなくなり、ゴロゴロとした溶岩交じりの道となる。覚明堂のそばには噴火によると思われる、壊れた山小屋が。噴火の時は火山灰が積もっていたようだが、今は石の間にコンクリートのように残っているだけである。剣が峰頂上直下にはコンクリートでできた大きな四角いシェルターが三つ。王滝方面を見ると壊れた山小屋が残っている。噴火の時登山者が避難した頂上山荘だろうか。剣が峰頂上は社務所や仏像などがあって、山の頂上のような感じではなく、まるで神社のようだ。

 一休みしてから摩利支天山に向かう。大きな二ノ池の大部分は灰色の火山灰で埋まっており水がある部分はわずかである。ここから白竜避難小屋を経て摩利支天山に向かう。二ノ池から摩利支天山の間には登山者がほとんどおらず、静かな山行を楽しむことができた。摩利支天山の頂上は2、3人がやっと立てるほどの狭い岩山である。この日はあいにく曇っているため、剣が峰、継母岳や賽の河原が一望できる。遠くまでは見渡せなかったが、晴れていれば360°のいい眺めであっただろう。

 摩利支天から戻ると、飛騨頂上との分岐では、三ノ池が見下ろせる。三ノ池は御嶽山では最も美しい池と言われており、二ノ池と違って青い水をたたえている。三ノ池―女人堂登山道が通行止めでなかったら、行きたかった場所だ。賽の河原は広々とした気持ちのいい場所だ。草紅葉が美しい静かな場所で、その中でホシガラスがえさを探している。

 二ノ池から覚明堂を経て同じ道を下山する。覚明堂近くにある仏像には小さな孔が無数に空いている。これも噴火によるものだろうか。飯森高原駅からロープウエイで下り、車で途中鹿野瀬温泉に風呂に入り、帰途につく。

 御嶽山は紅葉もさることながら、地形としても変化に富んだ面白い山である。噴火の爪痕はまだ各所に残っているが、また来てみたい山である。