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2020/05/30 奥三河・上臈岩(個人山行)

■山行日 2020年5月30日(土)朝発  ■天候 晴れ ■メンバー 1名 

■山行報告(リーダー K) 行動時間 7時間40分、11.6km 
コース:
三河槇原駅-モリトピア愛知-シャクナゲ尾根-東尾根-馬の背-上臈岩
上臈岩で約2時間: 間の上臈-上臈-裏の上臈-中の上臈(ペンギン岩)
中の上臈-馬の背-北尾根-シュートン沢-明治百年記念広場-モリトピア愛知-三河槇原駅

 まさに奥三河の秘境である。こんなところに想像を絶する断崖絶壁があるとは、、、 本宮山を登ったあと、次なるところと山渓ガイドを何度も眺めていたが、、、 そんななか、インターネットを見ていて、思わず「コレヤ!」と叫びたくなるような記事を見つけた。迷わず、「上臈岩(じょうろういわ)」に行くことに決めた(上臈岩は山渓ガイドに非掲載)。

 飯田線は豊川を過ぎると、殆ど無人駅で停車時間も長く、全く呑気な列車である。豊橋から80分でようやく三河槇原駅に到着。駅に着いても、列車のドアはボタンを押して自分で開ける。改札もないので、車掌さんもいちいちホームに降りて、切符を受け取る。  駅から15分ほど歩くと「愛知県民の森」の入り口、「モリトピア愛知」に到着。ここに駐車場があり、大半の人はマイカーでここまでやってくる。

 目の前の森の中にキャンプ場があり、そこから直ぐに「シャクナゲ尾根道」に入る。いきなりの急登で一気に「東尾根」につきあげる。そこからは、「北尾根」との分岐点までいくつかのアップダウンの尾根道が続く。どこを眺めても奥三河の山々が素晴らしい。尾根道ではあるが、岩の上を歩くことが多いがクサリ、ハシゴなどが設置されていて難所というところはない。 東尾根の展望台では、「宇連山」、「鳳来寺山」が近くに見えて惹きつけられる。お目当ての「上臈岩」に着く前に体力を消耗しないように、はやる気持ちを抑えながらペースを考えて歩を進めた。

 東尾根の終わりくらいに上臈岩への入り口があるのだが、何の案内も無く(一般的な登山道ではないようだ。)分かりにくい。普通に歩くとそのまま北尾根に行ってしまいそうだが、GPSで位置を確認しながら、間違えずに上臈岩へのルートに入ることができた。  しばらく歩くと木々がとぎれて、視界が開け「馬の背」という痩せた尾根を通る。絶壁の下に「鳳来湖」が、そして山脈がとても美しい。

 この馬の背が秘境への渡りということだろう。そこを過ぎるとまた森の中に入るが、数分で「アッ!」...いきなり息をのむような世界が目の前にあらわれる。いくつかの道があるが自分が選んだ道は、「間の上臈」だった。 左右どちらを見ても圧倒的な迫力の断崖絶壁である。そして絶景である。「明神山(三ツ瀬明神山)」をはじめとする山脈、「鳳来湖」、右は「上臈」、左は「中の上臈」、いずれの岩上にも小さなアリンコのような人たちが見え、どの岩も、いかに巨大であるかが知れる。山々の中では、特に明神山が堂々たる山容で魅力的だ。

 間の上臈のあと、上臈~裏の上臈~中の上臈と回った。上臈へは、岩を少し降りることになるが、さすがにそこでは設置されていたロープを用心深く利用した。どちらに滑っても真っ逆さまに落ちてしまうので。どの岩上でも一人で眺めていると、声をかけられ写真を撮って頂けた。せっかくなので、端すれすれまでのところで撮影してもらった。ここに来る人達は、皆こういう空間が好きなのだと感じた。ここにいると言いようのない満ち足りた心地になる。異次元の空気が流れているような、時間だった。

 帰りは、「北尾根」から「シュートン沢」の急な坂を一気に下った。